ニューロメトリアについて

ニューロメトリアは、脳波測定による能力測定法のことです。いくつかの領域での簡単な質問へのやりとりをしながら、蓄積された脳と能力に関する研究データ(4000を超える、様々な分野でのギフテットと呼ばれる人の、脳と能力・特性の研究によるデータベース、50,000以上の、脳のスクリーニング、10,000以上の脳の縦断研究)をもとに独自に作られたアルゴリズムに照合させ、個々の潜在的な能力や感情特性を分析する、ユニークな方法です。(アメリカでの特許取得)

人間の脳は、大変魅力的な研究対象です。何世紀にもわたり、世界中の科学者がその謎を解き明かそうとしてきました。脳は数百億もの相互依存的な神経細胞からできてきます。脳の能力は驚異的で、人類がまだ解明できていない、多くの未知の秘密が隠されています。

脳と能力、脳と心理等に関する研究は、過去から蓄積に加え、現在でも世界中の研究機関で常に発展しています。それらの研究成果を、人々が心地良く、幸せに生きるために、実際に活用できると信じて開発されたシステムが、ヴェルバトリアのニューロメトリア能力測定法です。私たちは、ニューロメトリアによる能力測定を、脳科学(サイエンス)や測定技術(テクノロジー)と、人や家族の幸せとを、繋ぐ役割だと考えています。

ニューロメトリア能力測定法では、従来の一般的な能力テストとは異なり、読み、書き、計算のスコアの高さから能力を測定しません。また、測定結果を他者や年齢基準と比較することを目的としていません。人がその人らしく生きるために、個々の能力を知り、生かす、その考え方に、「他者との比較」は必要ないと考えています。

ニューロメトリア能力測定法は、海外の国々(現在約20か国、EU、米、UAE、シンガポール、香港、中国、アルゼンチン、ロシア 等)で、お子様の成長に高い関心のあるご家族、起業家、転職を考える方をはじめ、教育施設、インクルーシブスクール、スポーツアカデミー、企業の人事担当の方等、に興味を持っていただき、実践的に用いられています。4歳のお子様から大人まで、幅広い年齢の方を対象にしています。日本でのサービス開始は、2023年10月です。

個々の潜在能力を見極めることの重要性

どんな人でも、何らかの素晴らしい才能を持って生まれてきます。その才能を認め、どのように伸ばし、サポートするかが重要です。

しかし、これは、言葉で言うほど容易ではありません。子ども時代に、生まれ持った能力を見つけて伸ばすことができずに、成長しても自分らしい生き方が見つけられない、生きがいが感じられない、仕事へ意欲がもてない、自分らしさを見失う、といったことは、決して珍しいことではありません。自分の能力を見極められないことが原因で、自信をなくしたり、劣等感を抱えたりすることは、残念なことです。さらに、このことが、家族や周囲の人との関係に不協和が生じる原因となり得ることも、残念です。家族や周囲の人が、その人に対してもつ期待と、実際のその人の能力や性格に一致していないことで、人知れず息苦しさを感じている人もいるでしょう。

親子関係において、親の関わりは、子どもの成長と将来の進路、職業選択に大きく影響します。しかし、子どもの進路選択に関して、親の期待と、子どもの希望が一致するとは限らず、むしろ、これは稀であるとさえ言えます。親が子どものためにと、多くのお金や時間を、トレーニングコース、習い事、授業等に費やしたとしても、必ずしもその方向性が適正であるとは限りません。もし、子どもの能力や素質に合っていなければ、その時間やお金は、子どものより良い豊かな成長のために、費やすべき別の方法があるかもしれません。さらに、社会の移り変わりの激しい現代においては、親の自らの経験に基づいた知識からでは、子どもが将来、どの分野で自分の可能性を最大限に発揮できるのか、予測し、判断し、導くことは容易ではありません。親が子どもの能力を知りたいと思っても、潜在能力は、いわゆる学校の試験の成績では測ることが困難でもあります。

そんな中でも、私たちにとって、自身や子どもの生まれ持った能力に気づき、認め、その人らしい幸せな人生のために生かそうと、模索することが大切です。その人の能力、素質に合わないことは、求める成果のために大きな努力や忍耐を要します。(能力に合わない事へ努力や忍耐は、精神的にも時間的にも負担となるでしょう。)逆に、その人の能力、資質に合っていることは、比較的少ない努力や忍耐で、成果が出せます。(そのための努力や忍耐は、負担にさえ感じず、楽しみにもなり得るでしょう。)自身や子どもが、好きな事、楽しい事、自ら進んでやりたいと思える事を見つけてやっていくために、本来の能力の強み知ることが重要です。
逆に、能力の強みでない分野を知ることも大切です。自身や子どもの、強みでない部分を理解していれば、何かでつまづいても、ストレスや劣等感を感じる必要はないと分かり、調和をもった対処ができるからです。それは、自分を自分でケアすることにもつながります。

企業が社員の潜在能力を見極めることの重要性

ニューロメトリアの手法は、雇用主や人材採用担当者にも適しています。以前は、人材採用の重要なパラメーターは、経験、資格、年齢でしたが、現在は、従業員の個々の能力が優先されます。従業員が、企業にとって最大限の利益をもたらすのに役立つ才能や能力を持っているかを把握しようとすることが重要です。

ニューロメトリアの背景

  1. ニューロテクノロジーの革新的な発展により、人が特定の状態にある時だけでなく、日常的な作業をしている時にも、質の高い脳活動研究を得ることができるようになりました。
  2. 約1世紀に渡る神経心理学分野の研究により、高次の精神機能の位置を指定した脳機能マップを形成することが可能となりました。神経心理学的診断の効率的な方法の精緻化によって、脳の部位や機能、その活動の特異性を広範囲にわたって検査することが可能になりました。
  3. 知的指標の全体的な評価から、さらに、人間が行うより具体的な、様々な活動のための知的能力理解の研究が発展しました。人間の様々な活動は、数・論理的脳力、言語的能力、音楽的能力、創造的能力、身体運動能力 の各分野の能力を組み合わせ、用いていると考えられるようになりました。ニューロメトリアでは、各分野を分析することで、その分野の能力の発達レベルを測定します。主な目的は、単に能力の指標を知ることではありません。その能力をどのように発展させるかを考え、調和のとれた生き方を見つけていくのに役立てることが目的です。

ニューロメトリア開発の科学的側面

ニューロメトリアの科学的基盤のひとつは、アメリカの心理学者ハワード・ガードナー(1943-)の理論です。彼は、多重知能理論を提唱した心理学者です。ヴェルバトリアは、子どもから大人までの幅広い年齢層の方が、自分で自身の能力を見極め、さらなる成長の方向を選択し、効果的な結果を出せる場を見つけることができるよう、ニューロメトリア能力テストを実施しています。

個々の能力の強みの分野を把握する目的だけでなく、人々の間の相互作用に関連する脳の働きの特徴も見つけ、対人関係や家族の対立を解消することも目的としています。検査は年齢別に実施されるため、それぞれの年齢層に合った目的に応じて、先天的な能力を評価することができます。

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